やまづて

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25/3/27
Webサイトを公開しました!

「やまづて」は、奈良県の奥の奥、奥高野と呼ばれる場所にある山村・野迫川村で暮らす人々の思いと今を書き残し、伝えていくローカルメディアです。
訪れてくれたあなたに野迫川村の林業の魅力やその意味、関わる人々の言葉が届き、山や木がもつ可能性、森や生き物を想うきっかけになることを願っています。

Forestry
野迫川林業 4つの目標
野迫川村で林業が本格的に行われるようになって、約80年ほどになります。村の森林面積は15,000ヘクタールにのぼり、その森林資源を活用する林業は村の基幹産業です。しかし近年、林業の担い手は減少と高齢化の一途をたどり、林産活動全般が停滞。将来的に産業として維持していくことが非常に危ぶまれています。
一方で、先人たちが育んできた森林を受け継ぎ、新しい価値を加え、未来に紡いでいくのは現在を生きる我々の役割です。森林との適切な関わりを通じ、水土保全や生物多様性維持、木材生産といった森林の多面的機能を引き出していかねばなりません。そこで、「森林整備事業の計画的かつ効果的な推進」「森林資源の利用・加工の拡大」「森林サービス力の顕在化と発展」「林業技術者の確保と育成」の4つの目標を立て、さまざまな事業を展開してまいります。
1
森林整備事業の計画的
かつ効果的な推進

最新の航空レーザ測量データや、所有者の意向調査結果等に基づいた適切なゾーニングを行い、計画的で適正な素材生産を展開するとともに、複層林化や長伐期化等による多様な森林整備を進めます。また、経済性を確保しつつ、丈夫で簡易な路網整備も推進していきます。
例)混交林誘導整備事業
施業放置林を、林業経営と環境保全が両立する森林「恒続林」へと誘導する事業です。林分の一部(1haあたり0.16ha)にギャップを空けて、光が入るように林内環境を改善し、合わせてその周辺で間伐(20~40%)を行い、広葉樹も含めた多様な樹種が混じって存在する森林に誘導していきます。
2
森林資源の
利用・加工の拡大

木材利用・加工の拡大に向け、地域内エコシステム(薪ボイラー導入による木質バイオマスの小規模熱利用)の構築を図るほか、大学と連携し 、林地残材等を素材とした商品開発(精油や木炭等)を目指します。また潜在的な森林資源である広葉樹の利活用にも取り組みます。
例)地域内エコシステム構築事業
間伐材、未利用の林地残材等を燃料用材として山から搬出し、薪を生産。村の温浴施設における給湯等の熱源として、重油の代わりに利用することで、環境負荷低減や地消地産のエネルギー利用を実現します。高野山との近接性を生かし、護摩木としても使える付加価値の高い薪も生産し、販路を開拓していきます。
3
森林サービス力の
顕在化と発展

森林空間(フィールド)の活用を通して、交流・関係人口の拡大に加え、モノの生産に限らない森林全般の高付加価値化に向けた整備を進めていきます。植栽体験や樹木観察、実生採集といった、この村ならではの森林空間を生かした企業研修・環境教育を展開していきます。
例)一般社団法人more treesとの連携事業
野迫川村と同法人は、2024年10月2日、「森林保全および地域活性化に関する連携協定」を締結しました。「都市と森をつなぐ」をテーマに、両者で連携して多様性のある森づくりを進めていき、木材および林産物の生産促進や、人材育成・交流事業等にも取り組んでいます。
4
林業技術者の
確保と育成

林業従事者のスキル向上を支援し、就業者獲得に向けた情報発信を実施。プレイヤーの成長力を強化し、森林組合や事業体の経営意欲を高めて下支えします。林業がいかに公益的で大切な仕事か、時代に応じた変革に挑んでいるかなど、魅力や課題を地道に発信していきます。
例)林業従事者研修・資格取得等促進支援事業
林業人材のスキル向上と確保に向け、国の「緑の雇用制度」では対象とならない技術講習の補助制度も設けています。例えば、ロープを利用した木登り「ツリークライミング」の技術を応用し、樹木の維持管理を行うスペシャリスト「アーボリスト」の養成講座受講料を補助しています。
